悲しいから海に行ったらカモメが慰めてくれた
海でたそがれでもしないとやってられないような悲しい出来事があり、海へ行った。
漁港近くに車を停め、外に出て思った。
「くさ」
漁港なので当たり前である。
今のみじめな私にはきれいなビーチよりも臭い漁港くらいがちょうどいいのかもしれない。
砂浜の方まで歩き、波打ち際の楽しげな男女に若干心をえぐられつつも
とりあえず自分なりの「たそがれ」のイメージにならい海をぼんやり眺めてみる。
素敵な男性が「悲しいことでもあったんですか?」などと声をかけてこないかしらと
ほんの少し期待していたが、唯一通りがかった単独の男性は地元民らしきおじいちゃんだけだった。
世知辛い。
それでも穏やかな海を10分も眺めていると
あんなにささくれていた心が少しまあるくなったような気がした。
癒しパワーがすごい。Nature's magicと呼ぶことにする。
「魚でも見て癒されよう」と思い立ち、漁港横に伸びる岸壁を歩いてみることにしたが
でかいクラゲが一匹波にまかせて漂っているだけだった。
少しやるせない気持ちになりながらやたらとたくさんいるカモメの声に耳を傾けると、
意外と鳴き方にバリエーションがあることに気づく。
よく聞く「アッアッアッアーッアーッアーッアーッァー」という鳴き声に混じって
時々「アァー(↓)」(昔の海外ドラマでよくある切ないシーンの声)とか
「イェアゥ!」とか「ヨゥ!」とか「アオッ」などと
人間みたいな情感豊かな声が聞こえてくる。
面白いのでそのまま聞いているとなんだかだんだん私に語りかけているように聞こえてきた。
いよいよ危篤なのかもしれないと少し自分が心配になったが、
「アァー(↓)」は私を慰めてくれている、
「イェアゥ!」は私を励ましてくれている、
「ヨゥ!」は私を誘ってくれている、
と思うことにした。
Kamome's whisperと呼ぶことにする。(カモメの英訳がわからない)
ちなみに残念ながら「アオッ」だけは解読できなかった。
単純にマイケルジャクソンが好きなカモメだったのかもしれない。
そんなこんなで傷心だった私は海とカモメとクラゲのおかげで少し元気になれたのでした。
皆さんも悲しい時は海に行ってみてはいかがでしょうか。